税金

空き家の固定資産税は本当に6倍?条件と横浜市の運用を解説

公開:2026年7月24日

空き家を抱えていると「固定資産税が6倍になる」という話を耳にすることがあります。これは「建物がある土地に適用される住宅用地特例(課税標準が最大6分の1に軽減)が外れると、課税標準が最大6倍に戻り得る」という意味です。ただし機械的に税額が6倍になるわけではなく、解体しなくても特例が外れるケースもあります。横浜市の制度をもとに、仕組みと対処のポイントを正しく理解しておきましょう。

住宅用地特例とは?「6倍」の仕組みを理解する

固定資産税は「課税標準額 × 税率」で計算されます。住宅が建っている土地には住宅用地特例があり、固定資産税の課税標準が次のように軽減されます(総務省・横浜市)。

横浜市では固定資産税に加えて都市計画税も課税されますが、こちらにも特例があります(小規模住宅用地:価格の3分の1、一般住宅用地:価格の3分の2)。

「6倍」とは、小規模住宅用地の特例(6分の1)が外れた場合に課税標準が最大6倍に戻り得ることを指しています。ただし実際の税額変化は土地の評価額や調整の内容によって異なります。「自分の土地では具体的にいくら変わるのか」は、区役所の税務課への確認が確実です。

なお、住宅用地特例が適用される敷地面積は家屋の床面積の10倍までという上限があります。店舗・工場など非住宅用地は特例の対象外です。

住宅用地特例:あり vs なし(固定資産税・小規模住宅用地の場合)
特例あり(住宅が建っている)特例なし(更地など)
固定資産税の課税標準価格の6分の1価格(原則)
都市計画税の課税標準価格の3分の1価格(原則)
適用の主な条件住宅が存在すること・特定空家等への勧告を受けていないこと解体後、または特定空家等・管理不全空家等として勧告を受けた場合

解体しなくても「6倍」になることがある

実家を解体せずに空き家のまま放置していても、特例が外れてしまうケースがあります。それが特定空家等・管理不全空家等への認定です。

横浜市では、これらに認定されて勧告を受けると、地方税法の規定により住宅用地特例の対象から除外されます。「解体していないのに土地の税負担が大きくなる」可能性があるということです。横浜市の対応は次の段階を経て進みます。

横浜市の空家への対応フロー
  1. 1
    相談・通報近隣住民や本人からの相談・通報
  2. 2
    現地調査市の担当者が現地を確認
  3. 3
    助言・指導改善を促す行政指導
  4. 4
    勧告この段階で住宅用地特例が除外される
  5. 5
    命令改善命令。従わない場合は公表も
  6. 6
    代執行行政が強制的に措置を実施。費用は所有者負担

建物の老朽化が進むほど勧告に至るリスクは高まります。税金の観点だけでなく、近隣への影響も含めて、早めに状況を確認することが大切です。

「急いで解体すべき」とは限らない理由

「6倍になるなら早く解体しよう」と考えたくなりますが、解体すれば必ず得になるわけではありません。判断には2つの側面があります。

解体するメリット

解体するデメリット

土地の評価額・建物の残存評価額・売却や活用の見込みによって、最適な判断はケースごとに異なります。「解体・売却・活用・管理継続」のどの選択をするにしても、まず区役所の税務課や市の相談窓口で自分のケースを確認してから動くことをおすすめします。

横浜市の課税スケジュールと免税点

固定資産税・都市計画税は毎年1月1日現在の所有者に対して課税されます。解体の完了タイミングが翌年度の課税に直接影響します。

なお、1月1日時点で住宅を建替え中の土地も、一定の要件を満たせば住宅用地特例の対象になる場合があります(詳細は各区役所税務課へご確認ください)。

横浜市の納期は年4回(4月・7月・12月・翌年2月)です。また、同一区内の同一所有者で課税標準額の合計が土地30万円未満・家屋20万円未満の場合は免税点以下となり課税されません。固定資産税が免税点未満であれば都市計画税もかかりません。

動く前に確認しておきたいこと

空き家の固定資産税を整理する前のチェックリスト

横浜市の相談・支援制度

横浜市には、空き家に関する相談窓口(住宅政策課・空家相談受付コールセンター等)のほか、空家管理代行事業者リストの提供や空家活用マッチングなどの支援制度があります。税務面は各区役所の税務課、空家対策全般は市の窓口と、目的に応じて相談先を使い分けるとスムーズです。

「6倍」という言葉に焦りを感じている方も、まずは状況を正確に把握することが一番の近道です。「何から確認すればいいかわからない」「自分の土地では実際どうなるのか知りたい」という場合は、LINEからお気軽にご相談ください。

参照情報

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